『芸術新潮』1月号:江口寿史&ボッティチェッリ特集
1月号の『芸術新潮』は、第1特集が江口寿史、第2特集がボッティチェリだ。現代の日本の美人画(美少女画)と、ルネッサンスの美人画の名手の絵の対決である。
江口寿史の描く美少女はひたすらうっとりするばかりで、同性が見ても不快に感じない。ああ、かわいいな、きれいだなと思うばかり。最近、地域興しとしていくつかの行政が、「美少女」(あえて括弧付きにする)を売りにしたイラスト、アニメを制作しているが、次元が違う。
ボッティチェリの特集は、東京都美術館で1月16日から4月3日まで開催されている「ボッティチェリ展」にあわせたものだ。ボッティチェリの描く美人画も、おそらく同性が見ても素直に美しいと思うだろう。彼の描く美人画が、特にマリア像が「うつろな顔」をしていることを指摘している。なるほど。
東京都美術館には、残念ながらかの有名な「春(プリマヴェーラ)」や「ヴィーナス誕生」はない。でも、「書物の聖母」などから、その塗料としての金使いの巧みさは感じられる。
ボッティチェリ展の感想はこちらになります。