科学技術博物館「ワイン展」
科学博物館で、挑戦している企画として期待して行きました……が。申し訳ありません、個人的には正直、期待外れでした。なぜ? テーマがこんなに面白いのに。
科学館も博物館も、「もの」ありきなんだと思わされました。最初は、文章が並べられたパネルばかり。卒論生の発表を見せられているようで、げんなり。それくらい、みんな知っているって、と。なぜ、説明を長々読まされなければならなかったのか?
途中、日本へのワイン受容のコーナーがありましたが、そのときの酒器が壊れたものばかりで「江戸時代だからそんな昔じゃないよね、どこかで壊れていない酒器を手に入れられなかったの?」とも不思議に思う。
ワインの起源の話は面白かったのですが、その起源の地図の写真を撮ろうとした人に、スタッフが制止していたのが意味不明。ガイドブックに書かれているからか? 私もあの起源のあたりが一番面白かったと思ったのですが。
客層は、デートしているような人たちがが多かった。「しらなかったー」「おもしろーい」と楽しんでいらっしゃった様子。そう楽しまれているならば、私の目が汚れているのか?
科学館であれば、ブツを見せてなんぼでしょう、と思うのです。ボトルやグラスによるワインの味わいの違いとか。お子さまが入る前提であるから、レストランでワインを楽しむコーナーを別料金で、別の場所で用意したのでしょうが、それでもね。会場とリンクする場で「なるほど」と思わせるようにして頂きたかった。これでは、酒造メーカーのウィスキー工場とか、ビール工場に敵うわけない。あの場はよほど、科学的に紹介してくれる。
様々な制限がある中で……とは思うものの、こんな「科学とワイン」という垂涎のテーマでこれ? と感じてしまいました。私の見方が意地が悪いのは認めます。そして、来館者の方々がこの内容で喜ばれるのも認めます。でも、よい素材をテーマにして、この学生の学会発表的な表現は、天下の(と思っている)科学博物館さんが、どうにかできなかったのかと思い、泣けてくるのです。