東北大学「科学コミュニケーション」集中講義
7月17日(金)ー7月18日(土)に、東北大学理学部、本堂毅先生のもとで、集中講義をさせていただきます。
このうち、「科学と文化、科学と私たち」(17日(金)16:30ー)に関しては、どなたもご参加が可能です。ご興味のある方は、
hondou(あっとまーく)mail.sc.toyoku.ac.jp
の本堂先生までご連絡下さい。
全体のテーマは『科学コミュニケーション再考』です。それぞれの題目は
17日(金)13:00~16:00
講義:『科学コミュニケーションのモデル−「コミュニケーション」から再考する−』
現状の科学コミュニケーションのモデルは、C.シャノンらのモデルに従っていますが、その経緯と有効性から改めて考えます。一方向から双方向へ、という科学コミュニケーションの方針を見直し、欠如モデルとの混同を探ります。
ワークショップ:『既存および理想の科学コミュニケーション実践のマッピング』
講義でなく、ワークショップ方式です。既存の、そして「こんなものがあったら良いな」の科学コミュニケーションの実践を、各自で洗い出し、軸を作った上でマッピングしていきます。
17日(金)16:30~18:30
セミナー:『科学と私たち、科学と文化』
「科学を文化に」というスローガンは、よく使われる言葉ですが(私も好きです)、なかなか上手くいきません。私たちの手に科学を取り戻すことはできるのでしょうか?
スノーの『二つの文化』の話から、レイモンド・ウィリアムズの文化論を借りて、あいまいな文化という言葉そのものを再考します。
さらに、大森荘蔵の「重ね描き」の議論から、死物化した現代科学を私たちの手に取り戻す≒科学を文化にする、方策を考えます。
18日(土)9:30~12:30
講義:『コミュニティを作る科学コミュニケーション』
情報伝達という観点ではない、「コミュニティを作る科学コミュニケーション」を提示します。J.ケアリーの"ritual communication"(儀礼的コミュニケーション)の論考をもとに、これをいかに科学コミュニケーションに使えるか。そして、そのために大森荘蔵の出した『重ね描き』(日常生活と現代科学の)という処方箋も借り、既存にない、もう一つの科学コミュニケーションモデルを提案します。