内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

Eテレ『ハートネットTV』「脳からの挑戦」コメンテーター出演

 ハートネットTVの「リハビリ・ケア新時代 脳からの挑戦」にコメンテーターとして出演しています。このシリーズの1−3回に出ています。いずれも本放送は終わっていますが、再放送があります。

ハートネットTV:リハビリ・ケア新時代 脳からの挑戦 - NHK福祉ポータル ハートネット

第1回「心の声を届けたい」

 では、ALS患者さんが、ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)を利用して、自らの意思を伝えることを挑戦していることについて、です。所属している研究室で関わっていたので、BMIのことは少々知っていましたが、このような形……大事な人とのコミュニケーションにも役に立つと勉強になりました。

出演者インタビューも、ブログに掲載していただきました。

【出演者インタビュー】内田麻理香さん「BMIは人の尊厳を支えるためにも使える」

第2回「宿命の病に挑む」

 ピアノなどの演奏者を悩ます難病、フォーカル・ジストニアなどを脳科学から切り込み、さらに脳科学の観点から治療に挑む話などが番組におさめられています。

 ジストニア……真っ先に思い出したのが池田理代子の漫画オルフェウスの窓(1)だというのが我ながらアレですが*1、登場人物のイザークがプロのピアニストを諦めたのがこの病気か! と。演奏者の50人に1人が悩まされる病だとか。練習すればするほど、その病が悪化するという。この病も広く知られて欲しいです。多くの演奏者の方々を救うためにも。

【出演者インタビュー】内田麻理香さん「脳科学の可能性と課題について」

第3回「子どもの脳からのSOS」

 この回は、子どもの不登校の原因の第二位といわれる、睡眠障害についてです。大人が睡眠不足になったり、睡眠リズムが夜型でも仕方ない(これは番組中では放送されませんが)。でも、子どもの場合はまったく違う、という大きな示唆が得られます。子どもが睡眠障害に至る過程、そして治療が難しいこと……いろいろショックを受けました。文科省が推進している「食育」も大事だけど「眠育」も取り組まなければいけない深刻な問題なのでは? と。

【出演者インタビュー】内田麻理香さん「多くの社会的問題を脳科学で解明できれば」

 「ハートネットTV」では、福祉を科学の方面から切り込んだものは初めてだそうです。でも、脳科学だけでなく、ほかの切り口からも福祉に役立つ科学はありそうです。
 視聴者の方は、「脳科学って福祉に貢献する」と考える方と、「この程度じゃ私たちの大変さが変わらない」と考える方と二分されるかと思います。後者の方々に対しては、本当に科学は無力です。「いま」を改善できない。治療できない。根絶できない。私も、もどかしい想いです。
 ただ、今後の脳科学(脳神経科学)*2の進展に期待して頂けましたらと思います。

*1:打合せ場面で、ただ1人!女性プロデューサーの方が反応して下さった。

*2:2014年度のノーベル生理学・医学賞も脳科学でした。