京都出張の合間に、京大の総合博物館の特別展示を観てきました。
「ウフィツィ美術館所蔵の傑作を最先端のデジタル技術によって再現」、つまりハイテクな写真の撮影と補正の技術を駆使して作ったレプリカたちです。
入り口にあった監修の先生の説明文が実に楽しかった。
・ これは単なるレプリカか? 否、芸術の民主化を目指したものである。
・ 音楽の歴史を見よ。複製技術の発達でその意義が失われたか? 複製技術により多数の人が音楽を享受することになったが、「コンサート」は存在し続けている。
・ 複製技術によってアウラは損なわれるものではない。
・ 本展示は芸術と科学の融合だ。そもそも、文科系と科学系が分離されたのは、近年のことである。
・ これぞ、リベラルアーツの神髄である!
(超・意訳。どうかギレンの演説時の声でお読みください)
このアジテーション文にのせられて、わくわくしながら実物を見たら……拍子抜け。まあ、実物大の写真だものね。4月にフィレンツェのウフィッツィ美術館でホンモノを観たばかりというのもあるかもしれない。アウラ、明らかに消えているよ……。
でも、日立の技術には驚嘆した。その説明動画が一番面白かったかもしれない(私と一緒に、両脇にいたおじいさま二人も妙に熱心にご覧になっていた)。
あと、いわゆる「名画」を超細密画像で再現して観せることは、保存・普及・教育……いろいろな面で意味がありそう。今後も楽しみです。