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内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

毎日新聞『代替医療解剖』書評掲載

しごと 書評

 今回の毎日新聞の書評は、『代替医療のトリック』を改題して文庫化した『代替医療解剖』を選びました。これ原題が"Trick or Treatment?"って良いですよねえ。文庫化にあたって、発売後に起きたサイモン・シンカイロプラクティックの協会から訴えられた話などが解説に入っています。サイモン・シンが共著者なので面白いのは当たり前なのですが、600pのボリューム。どうかご覚悟を!

代替医療解剖 (新潮文庫)

代替医療解剖 (新潮文庫)

 本書は、何しろ著者らの立ち位置が良い。頭から代替医療疑似科学と決めつけるのではなく、真剣に向き合っている。書評にも書きましたが

代替医療疑似科学とイコールとは言えない。だが、疑似科学が世の中で跋扈するのも、惹かれる人の心に程度の差はあれ科学不信や反発があるからではないだろうか。疑似科学を批判する人は、頭から科学的なロジックで相手を否定したり、ときには「科学を理解していない」と嘲笑するという態度をとる場合が多く見受けられる。これでは科学に対する不信や反発がある人との間の溝を深めるだけであろう。しかし、本書の二人の目標は異なる。科学的に理解できないからといって、代替医療を頭から否定するのではない。医療にとって大切なのは、治療の効果だという出発点から、あらゆる代替医療の主張をいったん受け入れ、ひとつひとつ検証して「心を開く」「懐疑的に思考する」のバランスを取るのだ。二人の態度は、その他の疑似科学に対処する手本にもなろう。

 「心を開く」「懐疑的に思考する」の双方の立場で検証していくのは難しいことが容易に想像がつく。その彼らの態度もたいへん勉強になりました。