長野市民教養講座『文明史における科学・技術と社会変動』講師
長野市民教育講座『文明史における科学・技術と社会変動』で、講師をつとめてきました。
私のお話ししたテーマは「科学の発展と、科学離れ」。科学(と技術)が発展すればするほど、私たちの世界から遠く離れていく。それを、私たちの手に取り戻すためにはどうしたら良いか……という話を、C. P. スノーや R. ウィリアムズ、そして大森荘蔵の言説から考えてみました。
こちらのカシヨ情報グループさんが開催している「長野市民教養講座」ですが、もう30年以上続いているとのこと。企業のCSRとして、このような市民向けの講座が続いていることは素晴らしい。そして、受講されている方々も、勉強熱心で私も刺激になりました。
長野駅で降りたのは初めてだったので、善光寺に寄ってきました。
時間がなかったので、短時間しかいられなかったのですが、いろんな意味で興味深い。善光寺は歴史があるお寺。多くの人びとにとって支持されるお寺のあり方とは? などと考えてしまいました。お参りするだけで「楽しい」。その楽しみを与えてくれる場として存続してきた重みを感じます。今度は、ゆっくり伺いたいです。
信濃毎日新聞「夏休みの一冊」『宮沢賢治の元素図鑑』書評
毎日新聞・書評『どもる体』
毎日新聞の「今週の本棚」に『どもる体』の書評を寄稿しました。
吃音という難しい障害に焦点を当てた本ながら、深刻になりすぎない形で描き、誰もが「その感覚わかる……」と感じるであろう一冊。この本の「軽やかさ」「受け入れやすさ」は著者の文章の巧みさ、装丁、編集……が相まって出来上がったのでしょう。ベストセラーになって版を重ねているのも納得、おすすめです。
四谷大塚『Dream Navi』2018年8月号・インタビュー記事掲載
四谷大塚が発行する『Dream Navi』2018年8月号に、インタビュー記事が掲載されました。
「なぜ勉強するの?」の特集で、私は「新しいことを知ると自分が好きになれる」とのお話をしましたが……さて、これで答えになるのでしょうか。子供にとって「なぜ勉強するの?」という問いは切実で、そして大人からは答えにくい。「これ!」というわかりやすい答えはないのでしょう。他の方々のインタビュー記事、興味深いです。
毎日新聞 今週の本棚『人形論』
信濃毎日新聞 書評『世界を変えた50人の女性科学者たち』
『100年後の世界』(化学同人)刊行記念トークセッション・登壇
鈴木貴之氏『100年後の世界』刊行記念のトークセッションで、お相手をつとめさせていただきました。
鈴木先生の所属は総合文化研究科。(案内文の肩書きは学部と大学院で違っていましたが)私と同じ職場の先生でもあります。科学哲学がご専門。
100年後の世界: SF映画から考えるテクノロジーと社会の未来 (DOJIN選書)
- 作者: 鈴木貴之
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2018/05/02
- メディア: 単行本
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SF映画を導入に、生殖技術、AI、ロボット、ビッグデータなど最先端技術について問いを投げかけていきます。SF映画に詳しい人も、詳しくない人も大丈夫。その映画を知っている人でも楽しめますし、知らない人でもその映画を観たくなるでしょう。
あと、「耳にしたことがあるけど、わからない」先端技術の概観について知りたい人にとってもお得です。生殖、遺伝子、バイオ、能力増強(エンハンスメント)、サイボーグ、不老長寿、人工知能、ロボット、情報、マインド・リーディング、「考える心の操作」、仮想現実と揃っています。
これらのテクノロジーを私たちが扱うために、「これ」といった答えはありません。著者の鈴木さんも提示していません。みんなで考えていく、答えが出ないけど考え続ける問題群なのです。というわけで、第15回分のアクティブラーニング型授業の題材にも最適です。教科書としてもおすすめです。
さて、イベント当日ですが、盛会のうちに終わりました。「素人さん……じゃ、ないですよね?」と思える参加者の皆様が多く、熱心でしかも鋭い質問がたくさん飛んできて、トークイベントとして盛り上がりました。私も楽しめました。
会場のBOOK LAB TOKYO、ここも良いですね。
最近、「書店」という場を通じたサイエンスコミュニケーションについてあれこれ考えを巡らせているのですが、改めて書店や図書館を通じたサイエンスコミュニケーションについてアプローチしたいと思った次第。