14日(土)、15日(日)は、放送大学の面接授業(集中講義)で非常勤講師のお仕事でした。場所は東北大学の金属材料研究所内にある、宮城学習センター。「民主主義社会における科学」という科目で、私は科学コミュニケーションに関わる部分を担当しました。
放送大学の面接授業は初めてです。多様な、そして学習意欲が旺盛な学生さんたちが集まる場で、私も楽しませていただきました。熱心な学生さんだと、私も勉強になりますし、刺激になります。このような場をつくる放送大学という存在は、もっともっと評価されるべき。
本日の毎日新聞の「今週の本棚」で、大書評(通常より文字数が多い)を寄稿しました。
2冊、書評しました。ひとつめは
高機能アルコール依存症を理解する ーお酒で人生を棒に振る有能な人たち
「高機能アルコール依存症」は、著者が提唱した名前ですが、確かに仕事も家族も失っていないという、一見、社会的に成功している人の中にもアルコール依存症者は隠れている。ステレオタイプのアルコール依存症者とは違うので、その問題が見逃されている……という指摘は、示唆に富んでいるかと思います。自分、そして周囲の誰かに対して、思い当たる方もいるのではないでしょうか。
もう一冊はこちら。
自分や家族が依存症らしい、なんとかしたい、と思った人が手に取るのにちょうど良いガイドブック。自傷行為だけでなく、薬物などの依存症も自分を傷つける自傷行為とみなし、その対処法を最新の医学的な知見に基づいて本人、家族向けに丁寧に説いています。著者は依存症研究の第一人者のひとりでもあり、臨床医でもあり、一般向けの発信も多くされている方なので信頼が持てます。
審査員をつとめた「新書大賞2018」の私の選評が「中央公論」3月号に掲載されています。
私が選ばせていただいたのは、次の5冊になります。
LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門 (ちくま新書1242)
2.『裁判の非情と人情』原田國男著(岩波新書)
4.『科学の本質と多様性』ジル=ガストン・グランジェ著(白水文庫クセジュ)
5.『戦争と農業』藤原辰史著(集英社インターナショナル新書)
審査員をつとめた「化学コミュニケーション賞 2017」の受賞が発表になりました。「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」様、田中陵二様、藤田賢一様、「JAIMAサマーサイエンススクール実行委員会」様、おめでとうございます。
今週の本棚:内田麻理香・評 『科学の不定性と社会--現代の科学リテラシー』=本堂毅、平田光司、尾内隆之、中島貴子・他編著 - 毎日新聞
毎日新聞の「今週の本棚」に『科学の不定性と社会』の書評を寄稿しています。科学的知識ではなく、科学についての知識を問う現代の科学リテラシー。教科書としても優れた本だと思います。