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内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

科学マンガとしての『銀の匙』

銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)

 科学マンガ……と呼べるものはいくつあるだろう? 直球なものとしては、古くは動物のお医者さん 1 (花とゆめコミックス)だろうし、近くではもやしもん(12) (イブニングKC)があるかと。浦沢直樹ラブの私としては
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

も挙げたいけど、あれは科学技術賛美とはほど遠い。あ、科学技術賛美が良いと思っているわけではないですよ、私は。『20世紀少年』はSFとしてディストピアな世界を描いた作品だと思っている(その世界を生んだのは、科学技術&政治&宗教……だけど)。

 さて、最新号の『銀の匙』。巻数が2桁を超えたが、今もダレてなくて面白い。純粋な科学マンガとしては前半の『もやしもん』のほうが良いのかもしれませんが(とはいえ、後半は埋め草的エピソードが多くて……。あとは、マンガなのに文字が多いよねえ)。
 農業高校を舞台としていて、私たち*1が、動物を愛玩する一方で、平気で肉食をするという矛盾を突きつける。まじめに動物の倫理を研究されている方にとっては、あの描き方は予定調和的で甘い! と思われるかもしれないけど、その「自らの矛盾」に気づく契機を生むということでも価値はあると思う。無自覚か、自覚的であるか。その差は大きいと思うよ。あとは、単なる農業マンガではなく、経営もがっつり描いているところとか。

*1:ベジタリアンでない。