- 作者: 松浦理英子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/09/07
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書評のお仕事の予習のつもりで読んだのですが、こんな名作に対して、予習って言葉をあてるのが非常識すぎる、と感服しました。500ページ超える本でしたが、一気読み。天才のなせるワザ、としか言いようがないです。
表のテーマは「種を超えた愛」になると思うのですが。ドメスティックヴァイオレンス(DV)…これは、夫婦間に限らず、恋人同士、親子間いろいろな場合で生じる(はず)。相手の人権を無視した支配。そして、支配された側も、そこから抜け出せず共依存関係に陥ってしまう。その様子を、納得できる「いかにもありそう」という筆致で描き出しているのに驚く。いかにも、いかにも、と頷いてしまう。これは筆者の体験によるものか? もしくは作家としての才能だからか?
下巻の蓮實重彦の解説も見所。当然のことながら絶賛です。で。この作品をこのように解説できる蓮見さんの類い希なる知性と文章力にも感嘆。