内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

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毎日新聞『日本の動物観』書評掲載

 今回、選んで書評したのがこちら。

日本の動物観: 人と動物の関係史

日本の動物観: 人と動物の関係史

 表紙の絵、かわいいですよねえ。元祖ゆるキャラ。江戸時代の円山応挙の「朝顔狗子図杉戸(あさがおくしずすぎど)」です。狗、って書かれているからイヌなんですが、どう見ても「なんの動物かわからない、かわいいぬいぐるみ」です。これを選んだ装丁の方、センス良すぎ。

 本書は4人の著者が「家庭動物」「産業動物」「野生動物」「展示動物」の4つの切り口から「日本人の動物観」を論じていきます。ペットとしてかわいがる一方、おいしい肉を食べる。あくまで学術的な筆致で、あおることもないけど、自分の矛盾が問われているようだ。

 文字数の関係で泣く泣く削ってしまったのがこちら。

僧籍を持つ異色の詩人、中西悟堂が「飼鳥」に対する批判として「野鳥」という概念を提示した。それに共感して集まった都市郊外住民の知識人らを中心に作られたのが「日本野鳥の会」なのだ。

「野生動物」を担当した瀬戸口明久さんの箇所だ。STS学会のナイトセッションで聞いたお話です。これ、なんとかして入れたかったんですが……修行、足りませんね。