内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

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『越境する数学』出版

越境する数学

越境する数学

 約3年前からのおつきあいが、一冊の本になりました。JSTさきがけ数学領域1期生の皆様&西浦総括による『越境する数学』(岩波書店)。

 私は、著者である数学者の皆様と対談したという役目で登場しています。単に私の素朴な疑問
「数学者ってどんな頭の構造しているの? どうしたらそうなれるの?」
 をぶつけて回った……という、趣味の世界。私にとっては、監督・指揮者・数学者という仕事をされている方々(他にもあるけど)は殿上人にしか思えないのです。こんなんで役に立ったのだろうか? と不安だったのですが、西浦廉政先生の「編者からのメッセージ」に、

 数学者というのは一体何をやっているのだろうか? そもそも数学という学問が人を引きつけるとすれば,それは一体なんなのであろうか(この本の最後の章でも同じ問いを立てているのでご覧いただきたい)
 これを知る1つの手段は,外からゆさぶりをかけて反応を見ることであろう.対話編が本書に含まれているのは,この理由による.対話編のインタビューはサイエンスライター内田麻理香さんにお願いした.コミュニケーターでもある内田さんにかかると,数学者も正直にぽろっと本音を語ってしまうようで,私自身初めて聞く話も多い.対話編のおかげでこの本の雰囲気が一変し,暖かみのあるものとなった.

 私が出会えもしなかったような、素敵な数学者の皆さまとお知り合いになれて、一冊の本作りのお役に立てたこと、嬉しく思います。きっかけを作って下さった西成活裕をはじめ、皆さまにお礼申し上げます。