朝日新聞の論壇時評の欄で、「論壇委員が選ぶ今月の3点」が掲載されました。
<評>著者は大学生の時に潰瘍性大腸炎を発症した文学紹介者。食と排泄(はいせつ)という、生きるために必須の営みに深く影響を及ぼす病と向き合い、時にはユーモアを交えたり文学作品を引用したりしながら、闘病の様子を描いていく。
これを読むと、潰瘍性大腸炎は、患者によって症状が様々なことがわかります。と同時に、ここで論じられる「食とコミュニケーション」(共食圧力)や、引きこもりの話は普遍性をもつと思います。
また、著者の頭木さんは新型コロナで「正常と異常の逆転」が起きたと分析。著者の潔癖症(服用薬により免疫機能が低下しているため、コロナ禍前から感染症予防が欠かせない)や引きこもりは「異常」とみなされていたが、コロナ禍ではそれが正しい行為とされるようになったと指摘しています。
▽ナディア・ウルビナティ「パンデミックとポピュリズム 政治対立と反知性主義とポピュリストの再台頭」フォーリン・アフェアーズ・リポート9月号