今週の本棚・新刊:『男が痴漢になる理由』=斉藤章佳・著 - 毎日新聞
毎日新聞の「今週の本棚」に、書評(短評)を寄稿しています。
痴漢を依存症として治療対象としてきた臨床家の手による書。加害者は性欲ゆえではなく「認知の歪み」により痴漢する。痴漢が嗜癖である、という分析は『アディクションと加害者臨床』にも繋がりますね。
セクハラ、パワハラの加害者は、自己評価が低く、自分を肯定して欲しいがために弱者に対してハラスメントする。そして自覚なく繰り返す。痴漢だけでなくハラスメント加害者が「認知が歪んでいて自己評価が低く、自分を肯定して欲しいがために弱者に対してハラスメントする嗜癖」という研究結果に納得する方は多いかと思います。
さらに、加害者が「相手もそれを望んでいるから」「正義のため」などと自己正当化しているという研究結果も。