内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

『ニコニコ学会βのつくりかた』刊行

 私が12月に「ニコニコ学会β〜FINAL〜」セッションの座長をしたのですが、そのときの富野由悠季監督と瀬名秀明先生の対談が、『ニコニコ学会βのつくりかた』に収録されています。私は単なる座長(司会)ではありますが、登場しています*1。この奇跡の対談をキャスティングしたことに誇りを持っています。本に取り上げて下さったのもありがたい。

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

 

  『つくりかた』の名に恥じない、上手な作りの本になっていると思います。はっきりしたコンセプトがあり、それでイベントを作る細かいノウハウが惜しげもなく書かれています。全員で集合写真、とか撤退を早くする、とか確かに大事なんだけど軽視されやすい、というか気づかない。ワークショップなど実施される方には、大きなヒントが膨大に得られるかと。あと、徹底したリハーサルの部分に関しては、イベントをする方には必読かと思われます。私も横で見ていて驚きました。香盤表に関しては、テレビ出演の経験があった私でも見たことがありませんでした。勉強になりました。

そもそもコンセプト作りに動機がなければならない。それをほかの人を巻き込む形にするにはどうしたら良いのか、まで丁寧に書かれている。

 個人的には、くとのさんの書かれた部分(p.71)

「第9回の『科学へのアンビバレントな想い』セッションは、ガンダムシリーズで知られる富野由悠季監督と作家の瀬名秀明さんに登壇して頂きましたが、想像されるかもしれないように先に著名な方の登壇を決めて後で内容を付けたのではありません。科学コミュニケーションという大きなテーマがまず先にあり、科学の要素を取り込んだ作品を作り上げるというニコニコ学会βならではの切り口が設定された上で、座長のサイエンスライター内田麻理香さんからお二人に登壇を依頼しました」


という記述が嬉しい。ありがとうございます。また、有名人が登壇しても、座長がデリゲートして、ニコニコ学会βのコンセプトに合わせていただくというという説明も。このあたりを書いて頂いて、座長としては感涙です(いえ、ほんとに大変だったんですよここも含めて……皆様のご協力あってこそでしたが)。

 ここまで、内幕を披露して良いの? というくらい有り難い一冊です。

 

*1:しかし、この細身過ぎる二人との写真は我ながらきついものが