内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

世田谷文学館イベント『ひとり漫勉』:浦沢直樹

 世田谷文学館に行くために上京したのは、浦沢直樹氏ご本人が登場する『ひとり漫勉』の企画に応募したら、当選したからでした(そうでなくても行くつもりでしたが)。

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 ラッキーです。最近、浦沢氏はNHK

www.nhk.or.jp

 という番組を制作したり、今回の個展を開催したり、マンガ家としてマンガの啓蒙・教育活動に熱心なように見える。
 実際、今回のイベントも西原理恵子の「人生画力対決」のように、マンガ家の生描きを見るようなものなのかな、と思っていたら、そんな簡単なものではなかった。

 ネームの相談から、ペンの油を落とすためにライターであぶること、下書き、枠線のペン入れ、キャラ作り、ペン入れ、スクリーントーンを貼るまで(たぶんもっとあったな……)、マンガ家としての仕事の全行程を魅せて……見せてくれた。

 しかも「編集者役」なのだろうか。放送作家その他で大活躍する倉本美津留氏が、松本人志の『一人ごっつ』よろしく、声だけでツッコミを入れる。浦沢氏も、描きながらエンターテイナーとしてサービスして喋る方だが、倉本氏のおかげで、間が空かないイベントになった。
 書画カメラではなく、NHKの用意したハイスペックな画面(どうなっているかわからないが)で映し出したのも観客には嬉しかった。

 その後、サイン会まであり。会場に行くまで、知らなかった。もちろん、頂いてきました。

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 待っているとき、「話しかけて良いものか、迷惑か……」と並びながら悩んでいたのですが、サイン券*1の名前を見て、浦沢氏から「あら、こんにちは」と話しかけてくれました。えーーーーー、認識して頂いてたのか。その後、今回のは、ほぼ打合せなしだったんですよーどうでしたかーとかのお話を伺う(舞い上がっていてあまり覚えていません)。

 どこで覚えて頂けたのだろう、と思うとまずこれかなあ。毎日新聞の書評。毎日新聞の担当者さんが、あれこれやりとりして下さったし。

今週の本棚 内田麻理香・評 『MASTERキートン Reマスター』=浦沢直樹、長崎尚志・著

 もう一つは、事務所にお邪魔して、ライターとして書いたインタビュー。ただあれで顔か名前を覚えていただいたとは考えがたい。

#09-1:浦沢直樹(漫画家) (鏡の国のサイエンス)

 とにかくそのあたりはどうでも良い。素晴らしい企画を目の前にして、しかも憧れの人に自分の名前か何かを覚えて下さったことだけで、嬉しすぎる。

 しかし、サインは150人弱したのではないかな。イラスト付き、人の名前入りで、握手付きってどんな超人だ、と思ってしまう。

 参加者は、お土産に『BILLY BAT』と福砂屋コラボのカステラまで頂戴しました。贅沢すぎる。このサービス精神にもびっくりです。

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*1:丸がついているのは「浦沢先生の負担を減らすために、姓か名かどちらかを選んでください」と言われたため