11月1日(日)深夜0時〜、Eテレ『ニッポンのジレンマ』に出演します。テーマは「教養のジレンマ大研究」。です。教養とは何か、流行している「反知性主義」とはそもそも? などについてお話ししてきました。
ゲスト:内田麻理香、サンキュータツオ、先崎彰容、高橋真人
「教養」が注目されている。
書店には関連本が並び、一種のブームのような状況だ。
教養としてもちだされるのは
歴史や古典、国際情勢から、プログラミング、プロレスまで、幅広い。
一方で、現代社会を読み解くキーワードとして最近流行するのが、
「反知性主義」という言葉だ。
だが、社会の対立を「知性」「反知性」で語ろうとすると
避けては通れないのが、
自ら「知性がある」と言うほど、知的にみえなかったり、
自ら「知性がない」と言うほど、
じつは傲慢だったりするというジレンマだ。
いまニッポンの若者にとっての「教養」や「知性」とは何なのか?
そして、「知識人」の定義とは?
「知識人」は今、どこにいる?
秋の夜長の読書ガイドとともに個性的な本屋さんからお届けします。
収録場所は、池袋の天狼院書店さん。本当に、ユニークなところで。収録のセットは、なんと(まだ時期が早い)こたつ。
出演者それぞれが、「教養になりそうな本」を持ち込んで。一冊だと教養にはなり得ない気がしますが、各人が持ち込むとそれっぽくなりますね。
【追記】
私が紹介した本はこちらです。
あと、放映には使われませんでしたが、教養人の姿として南方熊楠の本を紹介しました。
うん、でもこれが取り上げられなかったのは正解だと今になって思います。南方熊楠のような鬼才、特殊な人を取り上げても仕方ない。誰もが教養人になれるはずだと思うので。
あと、日本では「知性のない人」として誤った使い方をされている「反知性主義」ですが、こちらを読むとまるで違うことがわかります。元々は「権威と結びついた知性に反抗する」「お金になることを追及する」が、この言葉を使ったホフスタッターの意見。
- 作者: リチャード・ホーフスタッター ,田村哲夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2003/12/19
- メディア: 単行本
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森本あんり氏の著作は、日本人にはわかりやすいです。反知性主義にはキリスト教のリバイバリズムが深く関わっていると解説されています。
個人的には、科学を多くの人に伝えたいという米国的な意味での「リバイバイスト」になりたいと思いつつ、一方で象牙の塔にある学問も愛している。そのバランスをとっていきたいなと考えています。