内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

実験用品は、どこまで食器として許容される?

 先日、理系バーができたことが話題になっていた。

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 これに対して「行ってみた、面白かった」「楽しそう」

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 と肯定的な声もあれば、否定的な意見もある。これは文系理系戦争か……?

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 私はまだ行ったことはないが、写真を見る限り、試験管立てにある、試験管に入ったワイン8種飲み比べはさすがに血液とか連想しそうでご遠慮願いたい。ビーカーとかに飲み物が入っていると、別のものに見えてしまう。
 あと、白衣も置いてあるが、白衣は「何が付着しいているかわからなくて危険だから、使い捨て」
 まあ、ここは体験の差が大きいのだろう。

 数年前に閉店してしまった、「サイエンスカフェガリレオ・ガリレイ

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 こちらはカクテルをこのように出してくれた。 Untitled

 試験管は使われているが、不快感はない。単なるアクセントとして使っているから?
 このお店、サイエンスカフェを定期的に開催できる飲食店として作られたのだが、閉店は残念。ただ、置いてあるグッズなどに統一感が見られず、どこを目指したいのか不明だったんですよね……。

 そして、「タパス モラキュラー バー」。スペインの「エルブリ(エルブジ)」のような、分子ガストロノミーのお店。

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 ここは、料理の演出として、科学的イメージを積極的に使っている。例えば、こんなカクテルとか。

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 これは、ビーカーと試験管とスポイトと使っている。赤ジソのカクテルに、レモンをスポイトで入れて、色の変化を楽しむという趣向。
 別の日のコースですが、こんな料理もあった。これは、人工イクラを作る方法と同じで、「柿味のイクラ」を作るというもの。

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 試験管、ビーカー、注射器と実験用品が次々と登場しているけど、これも不快感はない。料理と科学の融合というエンターテイメントを楽しませる演出として見るからでしょうか。
 ただ、こちらも受け付けない、という方もいるでしょう。

 個人的には、単に「食器を実験器具にしてみました」だけだと、「薬品イメージ」と直結してしまうから厳しいと感じてしまうからかもしれない。

 食は、個人的な差が大きいし、その人の体験から形成されるイメージと大きく直結しているから難しい、だからこその楽しさもある。