内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

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松濤美術館「リニューアル記念特別展『ねこ・猫・ネコ』展」 


 現在、渋谷区の松濤美術館で開催されている『ねこ・猫・ネコ』展を見てきました。
 もう、ネコ好きにはたまらないでしょう。ネコに関わる美術品を堪能してきました。彫刻も、絵画も。そして、ネコと人間に関わる文化史も楽しんできました。

 ネコってそもそも可愛いけど(イヌ派と二分するでしょうね。私はどちらも好きです)。このように美術品としてずらーっと並べられると、たまらないですね。
 ネコという動物を美術として観賞すること……サイエンスコミュニケーションの勉強としても役に立ちました。

 「源氏物語」の例の光源氏の若い正妻「女三の宮」と若き貴公子の柏木との不倫のきっかけとなり、その後も柏木が引きずりまくった「ネコ」がくり返しモチーフとして使われているのが印象的。私は源氏物語のあの「若菜・上」「若菜・下」「柏木」のエピソードが大好きすぎて、過去に映像化された源氏物語が納得いかん。あの嫌らしい、寝取られ男ととなった、おっさん光源氏のあの場面だけを2時間映画で誰か描いてくれないか、と思っているくらい(ついでにいうと、おまけのように扱われている「宇治十帖」の映像化もどなかたお願い……)。

 「ネコ&蝶」が縁起がよいものとして扱われていること、古代エジプト王朝でおネコ様が神として扱われていることも知りませんでした。古代エジプト王朝の、ネコの彫刻が神々しくて美しい……。

 あと、この展覧会。自分でネコの写真を持ち込むと、2割引になるとか! 素敵。

 そして「ネコとネズミ」のコーナーも。ネコは基本肉食ですが、なぜ「ネコ対ネズミ」というイメージが立てられたか不思議だったのですが。

野生時代から、猫はよくネズミを捕獲して暮らしてきたと考えられます。ちょうど猫が狩りをする夕暮れや早朝は、ネズミが活動する時間帯と同じなので、別にネズミを意図的に狙わなくても、“出会う確率”が高く、捕まえやすかったと思われます。

 カエルでもなく、ウサギでもなく、「ネズミ」がネコの「敵」になった象徴になったのはそういう理由かと。

 「科学」と「美術」を考えさせるのは、結局このような展示なのだなと。さらに言うならば、科学を特別視せず、歴史や他の文化と融合させることが大事なのだなと。

 あと、素敵な企画だなと思ったのは「ネコ割」という企画。ネコの写真を持っていくと、2割引になるんですよ。そのかわいいネコたちの写真を見るのも楽しかった。