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内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

「ヘルタースケルター」と、雑誌「美STORY」

▼少し前の話になりますが、映画「ヘルタースケルター」を観てきました。仙台の映画館に行くのは初。前評判から勝手におどろおどろしいものを想像していたので すが、意外とあっさり。沢尻エリカ様のプロモーションビデオですね、あれは。熱演というほどの熱演ってわけじゃないし。どうしても「崩壊してゆく女性」と いう意味で、ナタリー・ポートマンの名演技(「ブラックスワン」の)と比べてしまう。それも酷か。

 
▼徹底して「男性視点不在」のストーリー作りをしているのが良かった。基本的には美しさも人気も、追い求めるのは、同性のためなのよね(正確には、当人的には、そうじゃない場合もあるけど)。そこをわからない一部の男性は観るとおいてけぼりをくらうかもしれない。たとえば、「あの子がおしゃれしているのは俺のためだ」的な考えをするような男性。違うって。目を覚ませ、というか覚まさないんだろうな。

▼男性視点不在で、美と人気にしがみつく「痛さ」は、雑誌「美STORY」にある痛々しさに通じるものがある。「VERY」のお姉さん雑誌で、バブル真っ盛りだった女性用に「STORY」という雑誌がありますが、その美容専門誌的な位置づけ。キーワードは「美魔女」で、アイコンは君島十和子。なぜ詳しいかというと、病院の待ち時間が長かったときに、半年分くらい読み込んだからである。

▼「いくつになっても美を追い求めることは素敵」というメッセージのもと、雑誌が創られているわけだが「化粧品にいくらつぎ込むの~」とか「ど んだけ時間使うわけ~」「そんなヒマあったら他のことで大成しそう~」とかそんな感じ。美容がなんとなーく趣味の私でさえそのような感想を抱くのだから、そうじゃない 人にとってみたら恐ろしい世界であろう。

▼若い子の美容雑誌はふわふわしていて可愛いが、40代女性ともなると必死さが半端ない。だって、若かったら何もしなくてもかわいいから、ある程度 努力でオッケーだけど、アラフォーともなると何もかも簡単には「効かない」からね……(我が身をふり返りつつ……)。そんな努力が痛く見えるのよ……。

▼「ヘルタースケルター」「美STORY」から考えたことは、女は移ろいゆく美や若さ「一本槍」に執着するのではなく、二兎も三兎も追ってバランスよく保険かけとくのが無難ということかなと。当たり前のことなんだけど。でも世の中、女にとっては男と違って美のモノサシが価値として巨大すぎて、なかなかそこから抜け出せなくなっちゃう蟻地獄のようなところ、あるような。あるよね。