- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2011/01/12
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JSTさきがけ数学領域の研究者らの座談会。
「越境」がテーマではあるが、「自分が境界にいる意識はない」「境界は本当にあるのか」「境界に行くことはコアから離れることなのか」「境界線って誰が決めているのか」という「そもそも境界って?」を探りながら話が進んでいく。
その一方で、
西浦:他分野の人とのコミュニケーションは難しいと思います。特に数学にバックグラウンドがない人たちとどうコミュニケーションを図るのか、そこが越えられないと自分がやっていることが相手にきちんと理解してもらえない。当然、評価だけでなく研究そのものが進まなくなる。言語が違う国との間の越境なので、コミュニケーションの難しさは普遍的な問題だと思います。
部外者にしてみると、前半から一転しているように見えて興味深い。ここでは明確に国境線を引いている。「数学の言葉が通じない国」との間に境界が感じられるのだろうか。
数学に限らず、他の分野でも「"母国語"が違うと感じる境界はどこ?」を探ってみるとおもしろそう。
となると、サイエンスコミュニケーターは国を持たない移動型民族であるべきかもしれない。