内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

毎日新聞『錬金術の秘密』書評を寄稿

錬金術の秘密: 再現実験と歴史学から解きあかされる「高貴なる技」 (bibliotheca hermetica叢書)

錬金術の秘密: 再現実験と歴史学から解きあかされる「高貴なる技」 (bibliotheca hermetica叢書)

 

 

mainichi.jp

 毎日新聞の「今週の本棚」に、『錬金術の秘密』の書評を寄稿しました。著者のプリンチーペ、科学史家であり化学者である能力を存分に発揮しています。当時の文脈で解読し、実験を再現することで、錬金術に対する誤解を解き、その豊かな世界を見せてくれる。読んでいてひたすら楽しいです、おすすめ。

 プリンチーペは、以下の著作も邦訳されていますね。

科学革命 (サイエンス・パレット)

科学革命 (サイエンス・パレット)

 

  こちらも、「科学革命」という複雑な事象を、わかりやすく説明してくれる良書です。

『サイエンスコミュニケーション』 vol.8 No.1 掲載

サイエンスコミュニケーション Vol.8 No.1

サイエンスコミュニケーション Vol.8 No.1

  • 作者: 日本サイエンスコミュニケーション協会
  • 出版社/メーカー: 日本サイエンスコミュニケーション協会
  • 発売日: 2018
  • メディア: 雑誌
  • この商品を含むブログを見る
 

 日本サイエンスコミュニケーション協会誌『サイエンスコミュニケーション』2018年のVol.8 No.1の特集は「本とのサイエンス」。この特集に、「限界を踏まえて市民が関わる科学」が掲載されています。

f:id:kasoken:20180819145434j:plain

毎日新聞に掲載した書評、 

kasoken.hatenablog.jp

『科学の不定性と社会』の加筆版になります。

この特集号では、サイエンスコミュニケーションに携わる人たちにおすすめの本が紹介されています。ぜひ手に取ってみてください。

 

長野市民教養講座『文明史における科学・技術と社会変動』講師

長野市民教育講座『文明史における科学・技術と社会変動』で、講師をつとめてきました。

カシヨ株式会社【企業情報】─長野市民教養講座─

私のお話ししたテーマは「科学の発展と、科学離れ」。科学(と技術)が発展すればするほど、私たちの世界から遠く離れていく。それを、私たちの手に取り戻すためにはどうしたら良いか……という話を、C. P. スノーや R. ウィリアムズ、そして大森荘蔵の言説から考えてみました。

 こちらのカシヨ情報グループさんが開催している「長野市民教養講座」ですが、もう30年以上続いているとのこと。企業のCSRとして、このような市民向けの講座が続いていることは素晴らしい。そして、受講されている方々も、勉強熱心で私も刺激になりました。

 長野駅で降りたのは初めてだったので、善光寺に寄ってきました。

f:id:kasoken:20180818112624j:plain

 時間がなかったので、短時間しかいられなかったのですが、いろんな意味で興味深い。善光寺は歴史があるお寺。多くの人びとにとって支持されるお寺のあり方とは? などと考えてしまいました。お参りするだけで「楽しい」。その楽しみを与えてくれる場として存続してきた重みを感じます。今度は、ゆっくり伺いたいです。

信濃毎日新聞「夏休みの一冊」『宮沢賢治の元素図鑑』書評

宮沢賢治の元素図鑑ー作品を彩る元素と鉱物

宮沢賢治の元素図鑑ー作品を彩る元素と鉱物

 

 信濃毎日新聞の「本紙書評委員10人が選んだ夏休みの一冊」で、桜井弘著『宮沢賢治の元素図鑑』化学同人の書評を寄稿しました。

f:id:kasoken:20180819153011j:plain

元素研究で名高い桜井弘さんが、宮沢賢治にも通じていたという。桜井さんの解説から、賢治の文章から科学の要素を見出して「科学者としての賢治」を楽しむことができます。さらに、豊遥秋さんの鉱物写真で彩られているという。贅沢な一冊です。元素好きにも、賢治好きにもぜひ手に取っていただきたい本です。

毎日新聞・書評『どもる体』

 毎日新聞の「今週の本棚」に『どもる体』の書評を寄稿しました。

mainichi.jp

どもる体 (シリーズ ケアをひらく)

どもる体 (シリーズ ケアをひらく)

 

 吃音という難しい障害に焦点を当てた本ながら、深刻になりすぎない形で描き、誰もが「その感覚わかる……」と感じるであろう一冊。この本の「軽やかさ」「受け入れやすさ」は著者の文章の巧みさ、装丁、編集……が相まって出来上がったのでしょう。ベストセラーになって版を重ねているのも納得、おすすめです。