内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

『100年後の世界』(化学同人)刊行記念トークセッション・登壇

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鈴木貴之氏『100年後の世界』刊行記念のトークセッションで、お相手をつとめさせていただきました。

www.kagakudojin.co.jp

 鈴木先生の所属は総合文化研究科。(案内文の肩書きは学部と大学院で違っていましたが)私と同じ職場の先生でもあります。科学哲学がご専門。

  SF映画を導入に、生殖技術、AI、ロボット、ビッグデータなど最先端技術について問いを投げかけていきます。SF映画に詳しい人も、詳しくない人も大丈夫。その映画を知っている人でも楽しめますし、知らない人でもその映画を観たくなるでしょう。

 あと、「耳にしたことがあるけど、わからない」先端技術の概観について知りたい人にとってもお得です。生殖、遺伝子、バイオ、能力増強(エンハンスメント)、サイボーグ、不老長寿、人工知能、ロボット、情報、マインド・リーディング、「考える心の操作」、仮想現実と揃っています。

 これらのテクノロジーを私たちが扱うために、「これ」といった答えはありません。著者の鈴木さんも提示していません。みんなで考えていく、答えが出ないけど考え続ける問題群なのです。というわけで、第15回分のアクティブラーニング型授業の題材にも最適です。教科書としてもおすすめです。

 さて、イベント当日ですが、盛会のうちに終わりました。「素人さん……じゃ、ないですよね?」と思える参加者の皆様が多く、熱心でしかも鋭い質問がたくさん飛んできて、トークイベントとして盛り上がりました。私も楽しめました。

 会場のBOOK LAB TOKYO、ここも良いですね。

booklabtokyo.com

 最近、「書店」という場を通じたサイエンスコミュニケーションについてあれこれ考えを巡らせているのですが、改めて書店や図書館を通じたサイエンスコミュニケーションについてアプローチしたいと思った次第。

寄稿『通信文化協会』74号

 

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通信文化74号

 通信文化協会の会報誌『通信文化』74号(2018年5月号)の巻頭言で「コミュニティをつくるコミュニケーション」と題して、南方熊楠が作ってきたプロ、アマを問わないさまざまな科学コミュニティについての拙文を寄稿しました。お手に取る機会がありましたら、ぜひ。

 5月号の表紙のPDFはこちらから読むことができます。

毎日新聞・書評寄稿『明治の技術官僚:近代日本をつくった長州五傑』

 毎日新聞の「今週の本棚」欄に、書評を寄稿しています。

mainichi.jp

 幕末時、長州藩から密航してイギリスにわたった5人がいました。その5人のうち、伊藤博文井上馨がいた、というだけでなく、工部省、工部大学校(現在の東大工学部)をつくった山尾庸三、「鉄道の父」と呼ばれる井上勝、造幣部門で尽力した遠藤謹助がいたというように、たいへんな豪華メンバーであったと。そして、科学技術立国・日本の礎を築いたという、ドラマのようなほんとのお話です。

 実際、映画にもなっています。山尾庸三が主役で、演ずるのは松田龍平

長州ファイブ

長州ファイブ

 

  著者の柏原さんは、この長州五傑を「専門性」という補助線で描いているのが興味深いです。例えば、幕末であれば数ヶ月英国にいただけでも「専門性」を持つとして重宝される人材になる。でも、少し時間が経つだけで、求められる専門性が変遷していく。その明治維新時の動きのはやさが、今に生きる私たちにも妙に切実に感じられますし、登場する人物の葛藤も伺えます。

毎日新聞・雑誌評寄稿『ナショナルジオグラフィック』

 04/15の毎日新聞に、マガジン評を寄稿しています。「ナショナルジオグラフィック日本版」4月号、特集は「超監視時代」です。

ナショナル ジオグラフィック日本版 2018年4月号 [雑誌]

ナショナル ジオグラフィック日本版 2018年4月号 [雑誌]

 

 

放送大学・集中講義

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 14日(土)、15日(日)は、放送大学の面接授業(集中講義)で非常勤講師のお仕事でした。場所は東北大学の金属材料研究所内にある、宮城学習センター。「民主主義社会における科学」という科目で、私は科学コミュニケーションに関わる部分を担当しました。

 放送大学の面接授業は初めてです。多様な、そして学習意欲が旺盛な学生さんたちが集まる場で、私も楽しませていただきました。熱心な学生さんだと、私も勉強になりますし、刺激になります。このような場をつくる放送大学という存在は、もっともっと評価されるべき。

東京大学の特任講師になりました

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 4月1日付で、東京大学大学院 総合文化研究科 教養学部附属教養教育高度化機構 科学技術インタープリター部門の特任講師に着任しました。科学技術インタープリター養成部門は、東京大学の大学院生向けの副専攻プログラムで、科学と社会の架け橋となる人材を育成しています。このプログラム運営と教育を担当します。

 研究、教育、実践の形でサイエンスコミュニケーションに携わっていきます。これからも、よろしくお願いします。

信濃毎日新聞の書評委員になりました

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 毎日新聞に続き、今年度から、信濃毎日新聞の書評委員になりました。毎日新聞信濃毎日新聞は別会社なんですよね、お恥ずかしながらこのお仕事を引き受けるときに知りました。書評が持つ可能性を探って、世の中のお役に立てるようにしたいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。