内田麻理香ブログ:KASOKEN satellite

ブログというかお仕事日記というか身辺雑記というか。

毎日新聞・書評『高機能アルコール依存症を理解する』/『自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド』

 本日の毎日新聞の「今週の本棚」で、大書評(通常より文字数が多い)を寄稿しました。 

mainichi.jp

 2冊、書評しました。ひとつめは

高機能アルコール依存症を理解する ーお酒で人生を棒に振る有能な人たち

高機能アルコール依存症を理解する ーお酒で人生を棒に振る有能な人たち

 

  「高機能アルコール依存症」は、著者が提唱した名前ですが、確かに仕事も家族も失っていないという、一見、社会的に成功している人の中にもアルコール依存症者は隠れている。ステレオタイプのアルコール依存症者とは違うので、その問題が見逃されている……という指摘は、示唆に富んでいるかと思います。自分、そして周囲の誰かに対して、思い当たる方もいるのではないでしょうか。

 もう一冊はこちら。

自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド

自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド

 

  自分や家族が依存症らしい、なんとかしたい、と思った人が手に取るのにちょうど良いガイドブック。自傷行為だけでなく、薬物などの依存症も自分を傷つける自傷行為とみなし、その対処法を最新の医学的な知見に基づいて本人、家族向けに丁寧に説いています。著者は依存症研究の第一人者のひとりでもあり、臨床医でもあり、一般向けの発信も多くされている方なので信頼が持てます。

 

「新書大賞2018」審査員

www.chuko.co.jp

 審査員をつとめた「新書大賞2018」の私の選評が「中央公論」3月号に掲載されています。

中央公論 2018年 03 月号 [雑誌]

中央公論 2018年 03 月号 [雑誌]

 

 

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 私が選ばせていただいたのは、次の5冊になります。

1.『LGBTを読みとく』森山至貴著(ちくま新書

LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門 (ちくま新書1242)

LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門 (ちくま新書1242)

 

 2.『裁判の非情と人情』原田國男著(岩波新書

裁判の非情と人情 (岩波新書)

裁判の非情と人情 (岩波新書)

 

 3.『脳の意識 機械の意識』渡辺正峰著(中公新書

 4.『科学の本質と多様性』ジル=ガストン・グランジェ著(白水文庫クセジュ

科学の本質と多様性 (文庫クセジュ)

科学の本質と多様性 (文庫クセジュ)

 

 5.『戦争と農業』藤原辰史著(集英社インターナショナル新書)

戦争と農業 (インターナショナル新書)

戦争と農業 (インターナショナル新書)

 

 

 

毎日新聞『科学の不定性と社会』書評寄稿

今週の本棚:内田麻理香・評 『科学の不定性と社会--現代の科学リテラシー』=本堂毅、平田光司、尾内隆之、中島貴子・他編著 - 毎日新聞

 毎日新聞の「今週の本棚」に『科学の不定性と社会』の書評を寄稿しています。科学的知識ではなく、科学についての知識を問う現代の科学リテラシー。教科書としても優れた本だと思います。

科学の不定性と社会―現代の科学リテラシー

科学の不定性と社会―現代の科学リテラシー

 

 

 

毎日新聞「2017 この3冊」書評寄稿

 毎日新聞の「今週の本棚」の年末恒例、「2017 この3冊」で書評を寄稿しています。軍事研究絡みで『戦争がつくった現代の食卓』アナスタシア・マークス・デ・サルセド 著、『戦争と農業』藤原辰史著、『ペンタゴンの頭脳』アニー・ジェイコブセン著の3冊の書評です。

戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係

戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係

 

 

戦争と農業 (インターナショナル新書)

戦争と農業 (インターナショナル新書)

 

 

ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA (ヒストリカル・スタディーズ)

ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA (ヒストリカル・スタディーズ)