本日の毎日新聞の「今週の本棚」で、大書評(通常より文字数が多い)を寄稿しました。
2冊、書評しました。ひとつめは
高機能アルコール依存症を理解する ーお酒で人生を棒に振る有能な人たち
- 作者: セイラ・アレン・ベントン,水澤都加佐,伊藤真理,会津亘,水澤寧子
- 出版社/メーカー: 星和書店
- 発売日: 2018/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「高機能アルコール依存症」は、著者が提唱した名前ですが、確かに仕事も家族も失っていないという、一見、社会的に成功している人の中にもアルコール依存症者は隠れている。ステレオタイプのアルコール依存症者とは違うので、その問題が見逃されている……という指摘は、示唆に富んでいるかと思います。自分、そして周囲の誰かに対して、思い当たる方もいるのではないでしょうか。
もう一冊はこちら。
自分や家族が依存症らしい、なんとかしたい、と思った人が手に取るのにちょうど良いガイドブック。自傷行為だけでなく、薬物などの依存症も自分を傷つける自傷行為とみなし、その対処法を最新の医学的な知見に基づいて本人、家族向けに丁寧に説いています。著者は依存症研究の第一人者のひとりでもあり、臨床医でもあり、一般向けの発信も多くされている方なので信頼が持てます。