プラハのオペラ観劇2日目。今日は、スタヴォスフケー劇場(エステート劇場, Stavovské deivadilo; Estates Theatre)で「フィガロの結婚」です。
この劇場はとにかくW. A. モーツァルトとの関わりが深く、当時ウィーンではそれほど評判が高くなかった「フィガロの結婚」もこの劇場で上演したところ大評判、そして「ドン・ジョヴァンニ」の初演の場したことで有名。さらに、ミロス・フォアマンの映画『アマデウス』でオペラの場面を撮影した劇場として、もっと有名かもしれません。
というわけで、劇場に入るなり『アマデウス』の世界だー! と楽しめます。フォアマン監督はチェコ人ということもあり、『アマデウス』の収録がプラハだったので、プラハの街全体が『アマデウス』の世界でもあるのですが、ここは特に。
劇場……美しいです。
オーケストラピットの前。こぢんまりとした劇場なので、オーケストラも小さい編成でした。でも、舞台との距離も近いので、十二分な迫力。
今回、ボックス席だったのですが、この劇場のボックス席良いです! まさに「プライベート空間」なのでくつろぎながらオペラを楽しめる。また、
でも書いたとおり、プラハの地元の人たちはドレスアップしつつも、リラックスして気軽にオペラを楽しんでいるので、その居心地の良さも含めて満足の時間でした。
このモーツァルトに縁のある劇場で、「フィガロ」を観るのですから、ベタな選択です。観光客の方*1が多かったのも、同じような選択をするからでしょうか。
オーソドックスな演出ながら、いかにも「フィガロ」という愉快さを存分に堪能できました。
「フィガロの結婚」ついでにご紹介したい映像がこちら。
- アーティスト: ダルカンジェロ(イルデブランド),ネトレプコ(アンナ),スコウフス(ボー),レシュマン(ドロテーア),シェーファー(クリスティーネ),ウィーン国立歌劇場合唱団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/07/25
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生誕250年モーツァルトイヤー、ザルツブルク音楽祭2006にて上演されたクラウス・グート演出による「フィガロの結婚」が収録されています。演出が斬新すぎます。モーツァルトならではの多幸感はまるでなし。おどろおどろしい演出ではありますが、歌手陣もオーケストラも素晴らしい。このオペラの脚本は、本来、上流階級を揶揄した「危険な作品」で、ウィーンで上演打ち切りになったのもよーくわかります。現代でも十分通じる皮肉、そしてドロドロした人間模様……オーソドックスな「フィガロ」と比較して観ると、なおさら楽しめるかと思います。
*1:地元の人よりもかなりカジュアルな格好でいらしていました。